円キャリートレードと株と為替

現在、日本の金利は世界的に見るとかなりの低水準です。この低金利を利用した取引に“円キャリートレード”というものがあります。“円キャリートレード”では、最初に円を大量に借り入れ、売ります。その後はより利回りのいい外国の通貨や、債権などに資金を運用します。


最終的には借り入れた円を利子付きで返済する必要がありますが、日本の金利が低いため、返済利子も低く、外国の通貨や債権などで運用して得た利益の方が上回る、という結果になるわけです。外国人投資家だけでなく、日本国内の個人投資家もこの取引に積極的のようです。


2006年に日銀が政策金利を引き上げたため、一旦は“円キャリートレード”は収束に向かいましが、“まだまだ日本の金利は低い”との認識から、再び活発になってきています。“円キャリートレード”は為替市場にも株式市場にも大きな影響を及ぼします。


為替市場では、円が大量借りられ、売られるため、基本的には円安が継続します。ただし、日本国内の金利が上がったり、少しでも円高方向に進むと、円を安い金利で借りるメリットがなくなってしまうので、借り入れ、売っていた円を急速に買い戻す動きが進みます。こうなってくると、短期的には急速な円高になります。為替市場にも悪影響で、大幅な下落に向かいます。


2006年に、日銀が政策金利を引き上げた際、世界同時株安というものが起こりましたが、原因はこの“円キャリートレード”の巻き戻しであると言われています。“円キャリートレード”は今後も続いていくものと見られています。日本の為替市場、株式市場にとって、不安な材料であることは間違いありません。