当初の米ドル安予想は一旦ハズレ!?

2007年は「サブプライムローン」という言葉が世界中で流行語になりました。2008年になるとサブプライムローンは「金融危機」という言葉に形を変え、世界を混乱に落とし入れています。

金融危機という言葉をよく聞くようになったのは2008年3月、アメリカ大手証券会社ベア・スターンズが破綻した頃からです。その頃は「アメリカ経済が弱まるのだから、年内は全面的な米ドル安になる」という予想が大半を占めていました。しかし、2008年10月地点で、その予想は大きく外れる結果となっています。


ベア・スターンズ破綻後、為替相場全体はどんな動きになったのでしょうか?簡単に言ってしまうと、米ドルと日本円が買われ続けています。


「日本円はいいとして、アメリカはサブプライムローン問題の震源地なのに、なぜ米ドルが買われ続けるのだろう?」という素朴な疑問が湧いてきますね。その答えは、ヨーロッパ、アジアなどの国々が、アメリカ以上にダメージを受けたことにあります。


2008年の半ば当たりで、ヨーロッパではアメリカよりもさらに質の悪いサブプライムローン証券が売られていたことが判明してきました。ヨーロッパを代表する銀行はアメリカよりも大きな損失を発表し、次々に破綻していきました。これにより、ユーロ、英ポンド、さらには危機非難通貨であるスイスフランまでもが米ドルに対して売られる形となったのです。


ヨーロッパ以外の通貨も例外ではありません。オセアニア、アフリカ、アジアの新興国は、ダメージを負ったアメリカやヨーロッパからの融資を受けることができなくなり、外国債などに対するデフォルト(債務不履行)などが発生するようになりました。結局、豪ドル、NZドル、韓国ウォン、南アフリカランドなども全て米ドルに対して売れられる形になったのです。

米ドルが大きく売られているのは今のところ日本円に対してのみです。当初の米ドル安予想は完全にハズレる形となってしまいました。この流れはしばらく続いていくものと思われます。