ポンドは歴史的安値水準に、イギリス政府の楽観論の行方は?

金融危機の影響を強く受けている通貨の一つがポンドです。2008年1年間の間にポンド/円は約半分にまで下落し、ポンド/ドルも50%以上下落しました。ポンドの価値は歴史的低水準になっています。

実は1992年にも「ポンド危機」と呼ばれるポンドの暴落がありました。この頃のポンドは投機マネーが集中して実体経済を無視した高値になっていた(いわゆるバブル)と言われています。これに目を付けたアメリカの著名投資家ジョージ・ソロスはポンドに対して大量の空売りを実行、買いで介入を発表していたイングランド中央銀行と真っ向から衝突します。その後1995年までポンドは下落し続けたわけですが、イギリス経済は減速するどころか逆に拡大することになり、今日の繁栄に至っています。


今回の暴落は1992年のバブルとは異なり、イギリスの実体経済の減速が原因でポンドが売られている感があります。ポンド独自の値動きの荒さも加わって、売り方向に傾いたトレンドが1年以上継続しています。


一部の評論家の間では「ポンド危機だ」という声も聞かれ始めていますが、イギリス政府の態度は比較的楽観的です。「このままポンド安を容認し、輸出産業の活性化を計る、その方がイギリス経済にとってもいい」という考えを発表しています。果たして今後どこまでポンド安が続くのか、イギリス政府の楽観論は的を得ているのかに注目が集まります。