円高は日本経済にとってプラスという幻想

2008年のリーマンショック以降、極度に進行した円高は2009年になっても維持されています。「円高になると輸入物価が下がり、個人消費喚起につながる」さかんに言われていることですが、果たして本当なのでしょうか?

はっきり言ってしまうと、円高が日本経済にプラスというのは幻想です。確かに日本は資源・穀物のほとんどを輸入に頼っています。しかし他の国と比較した場合、GDPに対する輸入依存度は高くありません。世界全体で見ると、GDPに対する輸入依存度はアメリカに次ぐ2番目の低さなのです。


輸入依存度が低いことに加え、日本の個人消費のほとんどがサービス産業を仲介しています。ほとんどのサービス企業は複数のビジネスを兼務しています。不況が長引いているため、輸入物価が下がってコストが浮いた分を赤字の事業の損失などに当てる可能性の方が高いのが現状です。こうなってしまうと、せっかくの輸入物価下落も消費者にとってはメリットがありません。よって、現状での円高は個人消費の喚起にはつながりにくいと考えられます。